Moleculus
有機化学リファレンス

Acetal Formation

アセタール化

アセタール化(酸触媒):アセトアルデヒド+2 メタノール/H⁺ → 1,1-ジメトキシエタン(ジメチルアセタール)+H2O

全体式

出発物から生成物へ

+ +
基本形 General Form

反応の基本形

R₂C=O + 2 R'OH ⇌ R₂C(OR')₂ + H₂O

酸触媒(H⁺)・アルコール過剰・脱水(可逆平衡)カルボニルへの求核付加(アセタール化)

アルデヒドやケトンにアルコールが2分子付加し、水がとれてアセタール(1,1-ジエーテル)になる可逆な縮合である。

機構 Mechanism

反応機構(段ごと)

巻矢印はA=攻撃 / B=脱離・π形成 / C=プロトン移動。本文の (A)(B)(C) は図中の同色の矢印を指します。

Step1

カルボニル酸素のプロトン化(活性化)

試薬・条件H3O⁺(酸触媒)

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この段のあと
12320212223

アセトアルデヒドのカルボニル炭素と酸素が二重結合したC=O構造。炭素が電子不足で、求核剤に攻められる。酸素O2の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。が、ヒドロニウムのプロトンH21を受け取る(C)。玉突きでO20–H21の結合電子がO20へ戻って水になる(B)。カルボニルがプロトン化分子が水素イオン(H⁺、プロトン)を1つ受け取る操作。酸性条件でよく起こる。され、炭素C1がより強い求電子点(オキソカルベニウム性)になる。

Q.なぜ先に酸でプロトン化するのか

A.プロトン化でカルボニル炭素C1がより強くδ⁺になり、中性で弱い求核剤電子が余っていて、電子の足りない相手(求電子剤)へ電子対を差し出して結合をつくる化学種。のメタノールでも付加できるようになるから。これが酸触媒酸が反応を助け、最後には再生される仕組み。基質をプロトン化して反応しやすくする。の前半の役割。

Step2

1分子目メタノールの付加(プロトン化ヘミアセタール)

試薬・条件メタノール(1分子目)

Step3

脱プロトン(中性ヘミアセタール)

試薬・条件メタノール/H2O(プロトンの受け渡し)

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この段のあと
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水(または別のメタノール)がオキソニウム酸素が結合を1本多く持ち、酸素上に正電荷が乗った陽イオン。プロトン化で生じる。 O8⁺ 上のプロトンH9を引き抜き(C)、O8–H9の結合電子が酸素O8へ戻って中性のヘミアセタール(同じ炭素C1にOHとOCH3が1つずつ)になる(B)。電荷を消して、次にOHをプロトン化分子が水素イオン(H⁺、プロトン)を1つ受け取る操作。酸性条件でよく起こる。できる中性体にする。

Step4

OHのプロトン化(脱離基化)

試薬・条件H3O⁺(酸触媒)

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この段のあと
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ヘミアセタールのOH酸素O2が、酸からプロトンH41を受け取る(C)。玉突きでO40–H41の結合電子がO40へ戻る(B)。–OHが–OH2⁺(良い脱離基結合の電子対を持ったまま分子から抜けていく原子や原子団。抜けたあと安定なほど良い脱離基となる。=水)に変わり、脱水の準備が整う。

Step5

水の脱離(オキソカルベニウムイオン生成)

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この段のあと
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エーテル酸素O8の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。がO8–C1の間に二重結合を作りに行き(A)、玉突きでC1–O2⁺の結合電子がO2へ降りて水が脱離する(B, 脱離矢印)。C1=O8⁺ のオキソカルベニウムイオンになる。酸素が隣接炭素の正電荷を電子対で安定化(共鳴1つの構造式では描き切れない電子の広がりを、複数の極限構造で表す考え方。)できるので、良い脱離基結合の電子対を持ったまま分子から抜けていく原子や原子団。抜けたあと安定なほど良い脱離基となる。化した水を押し出せる。

Q.なぜ酸素の電子対が水を押し出せるのか

A.残ったエーテル酸素O8が隣接炭素C1の正電荷をC=O⁺(オキソカルベニウム)として共鳴安定化できるから。だから良い脱離基化した水(OH2⁺)を酸素が押し出して脱水できる。ここがアセタール化の山場。

Step6

2分子目メタノールの付加(プロトン化アセタール)

試薬・条件メタノール(2分子目)

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この段のあと
13810505152

2分子目のメタノールの酸素O50の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。が、オキソカルベニウム炭素C1を攻撃して新しいO50–C1結合を作る(A)。玉突きでC1=O8⁺のπ電子が酸素O8へ降りて中性のエーテルになる(B)。C1に2つ目のOCH3が付き、O50は正電荷を帯びたオキソニウム酸素が結合を1本多く持ち、酸素上に正電荷が乗った陽イオン。プロトン化で生じる。になる。

Step7

脱プロトン(アセタール完成)

試薬・条件メタノール/H2O(塩基)

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生成物(完成)
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水(または別のメタノール)がオキソニウム酸素が結合を1本多く持ち、酸素上に正電荷が乗った陽イオン。プロトン化で生じる。 O50⁺ 上のプロトンH51を引き抜き(C)、O50–H51の結合電子が酸素O50へ戻って中性になる(B)。同じ炭素C1にOCH3が2つ付いたアセタール(1,1-ジメトキシエタン)が完成し、触媒反応を速めるが、自身は反応の前後で消費されず再生される物質。の酸が再生される。

考察

なぜこう進むのか

原理
アルデヒドを酸触媒酸が反応を助け、最後には再生される仕組み。基質をプロトン化して反応しやすくする。でアルコールと反応させると、まずアルコール1分子が付加してヘミアセタール(同じ炭素にOHとORが1つずつ)になり、次にそのOHが水として抜けたオキソカルベニウムに2分子目のアルコールが付いてアセタール(同じ炭素にORが2つ)になる。前半=付加、後半=OHを水に変えて2つ目のORで置き換える、という付加–置換の連結。
選択性
Q.なぜヘミアセタールで止まらずアセタールまで進むのか
A.酸性・脱水(水を除く)条件では、ヘミアセタールのOHがプロトン化分子が水素イオン(H⁺、プロトン)を1つ受け取る操作。酸性条件でよく起こる。されて水として抜け、共鳴1つの構造式では描き切れない電子の広がりを、複数の極限構造で表す考え方。で安定なオキソカルベニウム(C=O⁺、酸素の電子対が正電荷を分担)ができる。ここに2分子目のアルコールが付くとアセタールになる。すべて平衡なので、水を系から除くほどアセタール側に寄る。
駆動力
触媒反応を速めるが、自身は反応の前後で消費されず再生される物質。カルボニル炭素と酸素が二重結合したC=O構造。炭素が電子不足で、求核剤に攻められる。とOHを順にプロトン化して求電子性を上げ・脱離基結合の電子対を持ったまま分子から抜けていく原子や原子団。抜けたあと安定なほど良い脱離基となる。(水)を作ることで各段を進める。全体は平衡反応で、脱水すると生成側、含水・酸性だと逆にカルボニルへ戻る(だから塩基性では安定=カルボニルの保護基に使える)。
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検算 Verified

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矢印⇄結合変化の整合整合 — fail=0 / check=0(全7段)
電荷保存保存 — 全段で電荷保存
中間体の鎖の連続連続 — 中間体の鎖が連続
生成物への到達(内部整合)到達 — 看板の生成物が機構中で実際に生成
生成物の分子式C4H10O2
PubChem 照合緑・完全一致(CID 10795)
1,1-dimethoxyethane
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