Proton Transfer (Acid-Base)
プロトン移動(酸・塩基):酢酸+水酸化物イオン → 酢酸イオン(カルボキシラート)+水。「巻矢印の文法」「酸・塩基」の土台例。
A–H + B⁻ → A⁻ + B–H
酸から塩基へプロトンが移る、巻矢印の文法の最小例である。
巻矢印はA=攻撃 / B=脱離・π形成 / C=プロトン移動。本文の (A)(B)(C) は図中の同色の矢印を指します。
試薬・条件OH⁻(塩基)
水酸化物イオンOH⁻の酸素O6には孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。が余っている(塩基=Hを受け取る側)。この孤立電子対が、酢酸のO–Hの水素H5に向かって伸び、新しいO6–H5結合を作る(C)。同時に、玉突きで元のO4–H5結合の電子2つが酸素O4へ戻る(B)。結果、H5は水(O6側)に移り、酢酸の酸素O4は負電荷を持つ酢酸イオン(カルボキシラート)になる。動いた電子はこの2本の矢印だけ。
Q.なぜO–Hの水素がねらわれ、抜けたあとが安定なのか
A.O4は電気陰性度結合の電子対を引き寄せる強さの尺度。大きい原子ほど電子を引き、分極を生む。が大きく、もともとO–Hの水素をδ+電気陰性度の差で結合の電子が偏り、δ+とδ-の部分電荷が生じること。(電子が薄い)にしている=塩基が取りに行きやすい。しかも抜けたあとにO4へ残る負電荷は、共鳴1つの構造式では描き切れない電子の広がりを、複数の極限構造で表す考え方。で隣のO3にも均等に広がる(2つの酸素で分け合う)。負電荷は一点に集まると不安定、広がると安定なので、この共鳴のおかげで酢酸のO–Hはとても抜けやすい。
同じ中間体・対になる選択性・連続する変換など、位置の近い反応です。反応マップで全体の中での位置も見られます。
原子の保存・電子の流れ・生成物への到達を機械で検証しています。妥当な経路は複数ありえます。
| 矢印⇄結合変化の整合 | 整合 — fail=0 / check=0(全1段) |
|---|---|
| 電荷保存 | 保存 — 全段で電荷保存 |
| 中間体の鎖の連続 | 連続 — 中間体の鎖が連続 |
| 生成物への到達(内部整合) | 到達 — 看板の生成物が機構中で実際に生成 |
| 生成物の分子式 | C2H3O2- |
| PubChem 照合 | 緑・完全一致(CID 175) acetate |