SN2 Reaction
SN2置換(土台の最小例):ブロモメタン CH3Br + 水酸化物イオン OH⁻ → メタノール CH3OH + 臭化物イオン Br⁻。求核剤OH⁻が炭素を背面から攻め、同時に脱離基Br⁻が抜ける1段の反応。
R–X + Nu⁻ → R–Nu + X⁻
求核剤が脱離基の背面から攻め、結合形成と脱離が1段で同時に起こる求核置換である。
巻矢印はA=攻撃 / B=脱離・π形成 / C=プロトン移動。本文の (A)(B)(C) は図中の同色の矢印を指します。
試薬・条件OH⁻(求核剤)
水酸化物イオンの酸素O3の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。が、電子の薄い炭素C1(臭素に電子を引かれてδ+電気陰性度の差で結合の電子が偏り、δ+とδ-の部分電荷が生じること。)を背面から攻撃して新しいC1–O3結合を作る(A)。それと同時に、玉突きでC1–Br2の結合電子が丸ごと臭素Br2へ移り、Br⁻が脱離する(B, 脱離矢印)。攻撃と脱離が別々の段に分かれず1段で同時に起こるのがSN2で、中間体反応の途中で一時的にできる、ある程度の寿命を持つ化学種。遷移状態とは別物である。はできない。生成物はメタノール CH3OH と臭化物イオン Br⁻。
Q.なぜ臭化物イオン Br⁻ は良い脱離基結合の電子対を持ったまま分子から抜けていく原子や原子団。抜けたあと安定なほど良い脱離基となる。なのか
A.脱離基は抜けた後が安定なほど良い。Br⁻の共役二重結合と単結合が交互に並び、π電子がひと続きに広がった状態。酸である臭化水素HBrはとても強い酸(pKaは約−9)で、これはBr⁻が負電荷を安定に抱えられる=もともとHを手放しやすいことを意味する。臭素は電気陰性度結合の電子対を引き寄せる強さの尺度。大きい原子ほど電子を引き、分極を生む。が強いので結合電子を丸ごと引き受けても平気で、だからBr⁻はよく抜ける良い脱離基になる。
同じ中間体・対になる選択性・連続する変換など、位置の近い反応です。反応マップで全体の中での位置も見られます。
原子の保存・電子の流れ・生成物への到達を機械で検証しています。妥当な経路は複数ありえます。
| 矢印⇄結合変化の整合 | 整合 — fail=0 / check=0(全1段) |
|---|---|
| 電荷保存 | 保存 — 全段で電荷保存 |
| 中間体の鎖の連続 | 連続 — 中間体の鎖が連続 |
| 生成物への到達(内部整合) | 到達 — 看板の生成物が機構中で実際に生成 |
| 生成物の分子式 | CH4O |
| PubChem 照合 | 緑・完全一致(CID 887) methanol |