Sulfonation of Aniline
アニリンのスルホン化の反応機構(巻矢印つき・機械検算済み)
芳香族求電子置換:アニリンのスルホン化(SO3/発煙硫酸・ベーキング法)→ スルファニル酸
全体式
+→
反応機構(段ごと)
求電子付加:パラ位がSO3の硫黄を攻撃(アレニウム)
試薬・条件: SO3
アミノ基のあるC1に対しパラのC4で、環π電子(C3=C4)がSO3の電子不足な硫黄S10を攻撃して新しいC4–S10結合を作る(A)。玉突きでS10=O11のπ電子がO11へ降りて–O⁻になる(B)。環は芳香族性を失い、正電荷はアミノ基の電子対で安定化されるo/p位(ここではC3)に乗ったアレニウムになる。律速段。
脱プロトンで再芳香族化(アレーンスルホナート)
試薬・条件: H2O(塩基)
水O30がsp3炭素C4のH15を引き抜き(C)、C4–H15の結合電子が環へ戻ってC3=C4を再生(B)=再芳香族化。p-アミノベンゼンスルホナート(–SO3⁻、アミノ基はまだ中性)になる。
アミノ基のプロトン化(双性イオン=スルファニル酸)
試薬・条件: H3O⁺
塩基性のアミノ窒素N8がプロトンH31を受け取り(C)、O30–H31電子がO30へ戻って水になる(B)。スルホナート(–SO3⁻)とアンモニウム(–NH3⁺)を同一分子内に持つ双性イオン=スルファニル酸の安定形になる。水に難溶で析出する。
Q.なぜ双性イオンとして存在するのか
A.スルホン酸(–SO3H)は強酸でプロトンを手放しやすく、アミノ基は塩基でプロトンを受けやすい。分子内で酸塩基が中和し合い、⁺H3N–Ar–SO3⁻ の分子内塩が最も安定になるから。融点が高く水に難溶なのもこのため。
なぜこう進むのか
- 原理
- EASの一型。求電子剤は三酸化硫黄SO3(硫黄が強く電子不足)。アミノ基 –NH2 は強いo/p配向性活性化基で、立体の空くpara位がスルホン化される。生成物スルファニル酸は分子内塩(双性イオン ⁺H3N–C6H4–SO3⁻)として存在する。
- 選択性
- Q.なぜ para に入るのか/実験で『焼く(ベーキング)』のはなぜか
A.–NH2 はo/p配向だが、ortho はアミノ基の立体で塞がれ para が主。ベーキング法ではまずアニリンと硫酸から硫酸水素アニリニウム塩(アニリニウム)を作り、これを高温で焼く。加熱で平衡的に遊離アニリンが生じ、その電子豊富な環がSO3と反応する。スルホン化は可逆なので、熱力学的に安定なp-体に集約していく。 - 駆動力
- 律速はアレニウム生成。再芳香族化で安定化。スルホン化は可逆(逆反応=脱スルホン化)だが、p-体への収束と双性イオンとしての析出で生成物側に偏る。
検算
この機構は機械検算を通過しています。
原子の保存・電子の流れ・生成物への到達を機械検証済み。経路の妥当性は複数ありうる。
検算の内訳を見る
| 矢印⇄結合変化の整合 | 整合 | fail=0 / check=0(全3段) |
|---|---|---|
| 電荷保存 | 保存 | 全段で電荷保存 |
| 中間体の鎖の連続 | 連続 | 中間体の鎖が連続 |
| 生成物への到達(内部整合) | 到達 | 看板の生成物が機構の終着点に一致 |
| 生成物の分子式 | C6H7NO3S | |
| PubChem 照合 | 緑・完全一致 | 完全一致(CID 8479) 4-aminobenzenesulfonic acid |