Moleculus
有機化学リファレンス

Sulfonation of Aniline

アニリンのスルホン化

芳香族求電子置換:アニリンのスルホン化(SO3/発煙硫酸・ベーキング法)→ スルファニル酸

全体式

出発物から生成物へ

+
基本形 General Form

反応の基本形

Ar–H + SO₃ → Ar–SO₃H

SO₃/発煙硫酸(可逆)芳香族求電子置換(スルホン化)

SO₃が芳香環を攻めてスルホ基を導入する、可逆なのが特徴の求電子置換である。

機構 Mechanism

反応機構(段ごと)

巻矢印はA=攻撃 / B=脱離・π形成 / C=プロトン移動。本文の (A)(B)(C) は図中の同色の矢印を指します。

Step1

求電子付加:パラ位がSO3の硫黄を攻撃(アレニウム)

試薬・条件SO3

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この段のあと
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アミノ基のあるC1に対しパラのC4に求電子剤電子が足りず、電子の余った相手(求核剤)から電子対を受け取る側の化学種。が入る。電子はアミノ窒素N8の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。から環へ流れ込み(B: ⁺N8=C1のイミニウムを作る)、玉突きでC1=C2→C2=C3と押し出され、その環π(C3=C4)がSO3の電子不足な硫黄S10を攻撃して新しいC4–S10結合を作る(A)。同時にS10=O11のπ電子がO11へ降りて–O⁻になる(B)。生じるアレニウムは、正電荷をアミノ基の孤立電子対が受け止めたipso位のイミニウム寄与構造(⁺N8=C1)で描いてある——これが最安定の共鳴1つの構造式では描き切れない電子の広がりを、複数の極限構造で表す考え方。形で、–NH2がEASを活性化しパラを選ぶ根拠(C4への求電子付加アルケンのπ電子が求電子剤を攻め、二重結合が開いて2つの基が付く反応。でのみ、この窒素安定化が効く)。律速段反応全体の速さを決める、いちばん遅い段階。ここの越えやすさが反応速度を支配する。

Step2

脱プロトンで再芳香族化(アレーンスルホナート)

試薬・条件H2O(塩基)

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この段のあと
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水O30がsp3炭素C4のH15を引き抜き(C)、C4–H15の結合電子が環へ戻ってC3=C4を作る(B)。玉突きでC2=C3がC1=C2へ移り(B)、最後にイミニウムのπ(⁺N8=C1)が窒素N8の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。へ畳まれてN8が中性の–NH2に戻る(B)=再芳香族化。p-アミノベンゼンスルホナート(–SO3⁻、アミノ基は中性)になる。

Step3

アミノ基のプロトン化(双性イオン=スルファニル酸)

試薬・条件H3O⁺

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生成物(完成)
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塩基性のアミノ窒素N8がプロトンH31を受け取り(C)、O30–H31電子がO30へ戻って水になる(B)。スルホナート(–SO3⁻)とアンモニウム(–NH3⁺)を同一分子内に持つ双性イオン=スルファニル酸の安定形になる。水に難溶で析出する。

Q.なぜ双性イオンとして存在するのか

A.スルホン酸(–SO3H)は強酸でプロトンを手放しやすく、アミノ基は塩基でプロトンを受けやすい。分子内で酸塩基が中和し合い、⁺H3N–Ar–SO3⁻ の分子内塩が最も安定になるから。融点が高く水に難溶なのもこのため。

考察

なぜこう進むのか

原理
EASの一型。求電子剤電子が足りず、電子の余った相手(求核剤)から電子対を受け取る側の化学種。は三酸化硫黄SO3(硫黄が強く電子不足)。アミノ基 –NH2 は強いo/p配向性活性化基で、立体の空くpara位がスルホン化される。生成物スルファニル酸は分子内塩(双性イオン ⁺H3N–C6H4–SO3⁻)として存在する。
選択性
Q.なぜ para に入るのか/実験で『焼く(ベーキング)』のはなぜか
A.–NH2 はo/p配向だが、ortho はアミノ基の立体で塞がれ para が主。ベーキング法ではまずアニリンと硫酸から硫酸水素アニリニウム塩(アニリニウム)を作り、これを高温で焼く。加熱で平衡的に遊離アニリンが生じ、その電子豊富な環がSO3と反応する。スルホン化は可逆なので、熱力学的に安定なp-体に集約していく。
駆動力
律速はアレニウム生成。再芳香族化で安定化。スルホン化は可逆(逆反応=脱スルホン化)だが、p-体への収束と双性イオンとしての析出で生成物側に偏る。
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検算 Verified

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検算とは何か — 保証していないことも

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矢印⇄結合変化の整合整合 — fail=0 / check=0(全3段)
電荷保存保存 — 全段で電荷保存
中間体の鎖の連続連続 — 中間体の鎖が連続
生成物への到達(内部整合)到達 — 看板の生成物が機構中で実際に生成
生成物の分子式C6H7NO3S
PubChem 照合緑・完全一致(CID 8479)
4-aminobenzenesulfonic acid
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