Electrophilic Aromatic Bromination
芳香族求電子置換:ニトロベンゼンの臭素化(Br2/FeBr3)→ m-ブロモニトロベンゼン(メタ配向)
Ar–H + Br₂ → Ar–Br + HBr
ルイス酸で活性化したBr⁺等価体が芳香環を攻め、脱プロトンで芳香族性が戻る求電子置換である。
巻矢印はA=攻撃 / B=脱離・π形成 / C=プロトン移動。本文の (A)(B)(C) は図中の同色の矢印を指します。
試薬・条件FeBr3(ルイス酸)
ルイス酸電子対を受け取る側の酸。空いた軌道を持ち、相手の孤立電子対を迎え入れる。FeBr3の空のFeに、Br2の片方の臭素Br21の孤立電子対結合に使われず、原子の上に対で残っている非共有の電子対。求核剤として攻める手になる。が配位して新しいFe30–Br21結合を作る(A)。玉突きでBr20–Br21結合の電子がBr21(と鉄)側へ移り(B)、Br–Br結合が不均等開裂して求電子剤電子が足りず、電子の余った相手(求核剤)から電子対を受け取る側の化学種。 Br⁺(Br20)と四臭化鉄イオン[FeBr4]⁻が生じる。Br⁺が実際の求電子剤の本体。
試薬・条件Br⁺
ニトロベンゼンの環π電子(C6=C7)が求電子剤電子が足りず、電子の余った相手(求核剤)から電子対を受け取る側の化学種。Br⁺(Br20)を攻撃して新しいC6–Br20結合を作る(A)。C6はsp3になり、玉突きで正電荷が環上に移ってアレニウム(シクロヘキサジエニル陽イオン)になる。ここではメタ位C6で付加が起きており、正電荷はC7(オルト)・C5/C9側へ乗るがNO2結合炭素C4には乗らない(=メタが有利な理由)。芳香族性環状で平面のπ電子系が、規則を満たして特別に安定になる性質。を壊すこの段が律速。
Q.なぜC4(NO2の付いた炭素)に正電荷が乗らないようメタで付加するのか
A.アレニウムの正電荷は付加点のオルト・パラ炭素に分散する。オルト/パラ位で付加するとNO2結合炭素C4に+が乗る共鳴構造1つの構造式では描き切れない電子の広がりを、複数の極限構造で表す考え方。が現れ、電子求引基の隣の+=著しく不安定。メタ位(C6)で付加すればC4に+が乗る共鳴を回避でき、最も安定なアレニウムを通る。
試薬・条件[FeBr4]⁻(Br⁻が塩基)
塩基Br⁻(Br30)がsp3炭素C6のH22を引き抜き(C)、C6–H22の結合電子が環に戻ってC6=C7のπを再生する(B)=芳香族性環状で平面のπ電子系が、規則を満たして特別に安定になる性質。が回復する。これでm-ブロモニトロベンゼンが完成し、HBrが生じてFeBr3が再生する(触媒反応を速めるが、自身は反応の前後で消費されず再生される物質。)。脱プロトン分子が水素イオン(H⁺)を塩基に引き抜かれて手放す操作。プロトン化の逆である。は速い(律速でない)。
同じ中間体・対になる選択性・連続する変換など、位置の近い反応です。反応マップで全体の中での位置も見られます。
原子の保存・電子の流れ・生成物への到達を機械で検証しています。妥当な経路は複数ありえます。
| 矢印⇄結合変化の整合 | 整合 — fail=0 / check=0(全3段) |
|---|---|
| 電荷保存 | 保存 — 全段で電荷保存 |
| 中間体の鎖の連続 | 連続 — 中間体の鎖が連続 |
| 生成物への到達(内部整合) | 到達 — 看板の生成物が機構中で実際に生成 |
| 生成物の分子式 | C6H4BrNO2 |
| PubChem 照合 | 未照合 — キャッシュに結果なし |